不動産売却の必要書類まとめ|初めてでも安心!種類別・工程別で詳しく紹介

  • 不動産を売却したいけれど、どんな書類が必要なのかわからない
  • 書類集めが大変そうで不安…いつまでに何を用意すればいい?
  • 相続した不動産の場合、特別な書類は必要?

不動産の売却は人生で何度も経験するものではありません。手続きを進めようとしても、必要書類の多さや内容の複雑さに戸惑う人は多いでしょう。

この記事では必要書類について、売却の工程別・物件の種類別・特殊なケースに分けてわかりやすく解説します。記事を読むことで、複雑に感じる必要書類の準備の流れが整理され、安心して不動産売却を進められます。

必要書類を事前に把握して計画的に準備すれば、不動産売却をスムーズに進めることが可能です。「権利証」と「本人確認書類」は不動産売却時には必要な書類のため、まずは手元にあるか確認しておきましょう。

必要書類の確認とあわせて専門家に買取相談を行えば、不動産の売却手続きをスピーディーに進められ、資金計画にも役立ちます。

目次

不動産売却時に必要な書類

不動産売却の契約締結や重要事項の説明。一戸建ての模型とサインする人物

不動産売却する際は必要な書類がそろっていないと手続きが停滞し、売却のタイミングを逃してしまう可能性があります。不動産売却時に必要な書類は以下のとおりです。

  • 登記済権利証または登記識別情報
  • 固定資産税納税通知書および評価証明書
  • 本人確認書類
  • 実印および印鑑証明書
  • 住民票

» 不動産売却の注意点とは?トラブルを防ぐ方法を解説!
» 家を売る最適なタイミングと6つの判断要素を解説!

登記済権利証または登記識別情報

登記済権利証または登記識別情報は、登記名義人本人であることを確認するための書類です。「権利証」とも呼ばれる登記済権利証または登記識別情報は、不動産売却時に必要となる書類です。権利証は名義を売主から買主へ移す「所有権移転登記」に欠かせません。

平成17年3月から、不動産登記制度が切り替わったため、権利証の形式は不動産の取得時期によって異なります。不動産登記制度が切り替わる以前に取得した不動産では「登記済権利証」が交付されています。登記済権利証は、契約書のような冊子や和紙風の紙で発行されることが一般的です。不動産登記制度の移行後に取得した不動産では、12桁の英数字が記載された「登記識別情報」が交付されます。
» 法務局「○登記済証(権利証)は,廃止されたのですか?」(外部サイト)
» 法務局「登記識別情報って何?:福島地方法務局」(外部サイト)

権利証は再発行できません。権利証をなくしてしまった場合は司法書士による本人確認の手続きを経れば不動産売却は可能です。ただし、不動産売却のため司法書士による本人確認の手続きを依頼する場合は、数万円の費用がかかります。

固定資産税納税通知書および評価証明書

不動産売却時の税金、固定資産税の文字と家の模型、電卓を配置したビジネスイメージ

固定資産税納税通知書および評価証明書は、不動産の課税のための評価額を示す書類です。不動産売却時には、固定資産税納税通知書および評価証明書を以下の場面で使用します。

  • 不動産の売却価格の査定に活用する
  • 登録免許税を計算する基準として使用する
  • 固定資産税を売主と買主で日割り精算する

固定資産税納税通知書は毎年4〜6月頃に市区町村から送付されます。固定資産税納税通知書は紛失した場合は再発行できないため、代わりに「固定資産評価証明書」を市区町村役場(東京23区の場合は都税事務所)で取得しましょう。
» 東京都主税局「【土地・家屋】納税義務者(個人)|固定資産に関する証明等(23区内)」(外部サイト)

本人確認書類

不動産を売却する際には本人確認書類が必要です。本人確認書類は状況によって必要な書類が異なります。不動産売却時に必要な本人確認書類は以下のとおりです。

書類の種類必要となるケース
運転免許証、パスポート、マイナンバーカード顔写真付き証明書として1点必要
健康保険証、住民票など顔写真付き証明書がない場合に別の種類の公的書類を2点組み合わせて提出

該当する場合のみ必要な本人確認書類は以下のとおりです。

書類の種類必要となるケース
住民票の写し、公共料金の領収書証明書と現住所が異なる場合
戸籍謄本結婚などで氏名が変更になった場合
在留カード、特別永住者証明書外国籍の人が不動産を売却する場合

不動産売却時に提出する書類は、運転免許証やマイナンバーカードは有効期限内のもの、住民票や戸籍謄本などは発行から3か月以内のものを準備しましょう。

実印および印鑑証明書

不動産売却に必要な印鑑登録証明書。書類と朱肉、実印(印鑑)のクローズアップ

不動産売却の際、実印と印鑑証明書は売主本人の意思で契約していることを公的に示すために必要です。印鑑と印鑑証明書は、不動産の名義を買主に変更する手続き(所有権移転登記)で必ず求められます。印鑑証明書を取得できる場所は以下のとおりです。

  • 市区町村役場
  • 行政サービスコーナー
  • コンビニのマルチコピー機(マイナンバーカードがある場合に利用可)

印鑑証明書は発行から3か月以内のものが必要となるため、不動産の引き渡し日が決まってから取得することをおすすめします。まだ実印を登録していない場合や紛失した場合は、媒介契約や売買契約の前に役所で実印の登録手続きを済ませておきましょう。

住民票

不動産を売却する際、登記簿に記載されている住所と現在の住所が異なる場合に住民票が必要です。住民票は売主が登記簿上の所有者本人であることを証明し、住所変更の手続きのために使われます。引っ越しなどで住所が変わっている場合、不動産売却する際は住民票を必ず準備しましょう。

不動産売却時の住民票は以下の条件を満たす必要があります。

  • 売主本人の住民票
  • 発行から3か月以内のもの
  • マイナンバー(個人番号)が記載されていないもの

不動産売却のために準備した住民票は、決済・引き渡しの日に司法書士へ提出します。司法書士は住民票をもとに、所有権移転の手続きを代行します。

【売却する不動産の種類別】必要書類

不動産売却査定に必要な書類。マンションと一戸建ての模型、虫眼鏡、電卓

不動産売却に必要な書類は物件の種類によって異なります。以下の売却する不動産の種類別に、必要な書類を紹介します。

  • 戸建て・土地の場合
  • マンションの場合

戸建て・土地の場合

戸建てや土地を売却する際は土地の境界や建物の詳細を示す書類が必要です。買主が安心して不動産を購入できるよう、土地の正確な範囲や建物の品質を証明する目的があります。

戸建てや土地を売却する際は以下の書類があると買主の安心感が高まります。

  • 土地測量図・境界確認書
  • 建築確認済証・検査済証
  • 設計図書・工事記録書
  • 越境に関する覚書・私道に関する協定書
  • 地盤調査報告書・住宅性能評価書・既存住宅瑕疵保険付保証明書
  • 建物の保証書・設備の取扱説明書

手元にある書類を整理して不動産売却時に提示することで、戸建てや土地の信頼性が高まり、売却を円滑に進められます。

マンションの場合

マンションは多くの人が1つの建物を共同で所有する「区分所有」という形態のため、売却する際はマンション特有の書類が必要になります。マンションを売却する際は以下の書類があると買主の安心感が高まります。

  • 管理規約・使用細則
  • 長期修繕計画書
  • 総会の議事録
  • 管理費や修繕積立金の額がわかる書類
  • 駐車場・駐輪場・トランクルームなどの使用契約書
  • 新築分譲時のパンフレットや図面集
  • 建築確認済証・検査済証
  • アスベスト使用調査報告書・耐震診断報告書

買主はマンションの部屋だけでなく、建物全体の管理状況や将来の修繕計画、生活ルールまで確認し、安心して購入できるかを判断します。

【不動産売却の工程別】必要書類

不動産売却の必要書類チェックリスト。木の家と書類のアイコンで手続きを表現

不動産売却は大きく4つの工程に分けられます。以下の工程別に不動産売却時に必要な書類を解説します。

  • 査定時に必要な書類
  • 媒介契約時に必要な書類
  • 売買契約時に必要な書類
  • 引き渡し時に必要な書類

» 不動産売却の流れを完全ガイド|初心者でも失敗しない手順を解説

1.査定時に必要な書類

不動産の査定では物件の広さや権利関係、税額などの情報が必要です。不動産の査定を依頼する際は必要な情報がわかる書類を準備しておくと査定が円滑に進み、精度も高まります。不動産の査定を依頼する際は以下の書類を準備しておきましょう。

  • 登記済権利証・登記識別情報
  • 固定資産税・都市計画税納税通知書
  • 売買契約書・重要事項説明書
  • 図面類
  • 管理規約・長期修繕計画書

すべての書類をそろえていなくても不動産の査定は可能です。準備できる書類が多いほど、不動産会社は物件の価値を多角的に判断でき、査定の精度も高まります。
» 不動産査定の3つの種類と評価方法をわかりやすく解説

2.媒介契約時に必要な書類

不動産売却やマイホームの安心感を表現。両手で小さな家を包み込むイメージ

不動産売却を正式に依頼する「媒介契約」を結ぶ際には、所有者の証明と物件情報を正確に把握するための書類が必要です。媒介契約時に必要な書類は以下のとおりです。

  • 本人確認書類
  • 印鑑(認印も可)
  • 印鑑証明書
  • 登記済権利証または登記識別情報
  • 固定資産税納税通知書
  • 建築確認済証・検査済証
  • 土地測量図・境界確認書(土地・戸建ての場合)
  • 管理規約や使用細則(マンションの場合)

登記済権利証または登記識別情報は、登記名義人本人であることを確認するための書類です。建築確認済証や検査済証は、建物が建築基準法に沿って建てられたことを示しています。

3.売買契約時に必要な書類

不動産の売買契約に必要な書類は物件の種類によって異なるため、不動産会社と事前に確認しておきましょう。不動産の売買契約に必要な書類は以下のとおりです。

  • 本人確認書類
  • 実印・印鑑証明書
  • 登記済権利証または登記識別情報
  • 固定資産税納税通知書
  • 建築確認済証・検査済証
  • 土地測量図・境界確認書(戸建て・土地の場合)
  • 管理規約・長期修繕計画書(マンションの場合)

不動産の売買契約時には収入印紙や手付金の準備も必要です。
» 不動産売買契約の流れと注意点をわかりやすく解説!

4.引き渡し時に必要な書類

引き渡し時には不動産売却代金の受け取りと、所有権の移転登記を確実に行うための書類が必要です。不動産の引き渡し時に必要な書類は以下のとおりです。

  • 登記済権利証または登記識別情報
  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 本人確認書類
  • 住民票(登記簿上の住所と現住所が異なる場合)
  • 固定資産評価証明書
  • 住宅ローンの抵当権抹消書類(ローン残債がある場合)
  • 管理規約・総会議事録(マンションの場合)
  • 建築確認済証・検査済証・設計図書(戸建ての場合)
  • 設備の取扱説明書や保証書(保管している場合)

不動産の引き渡しの際、書類以外では物件の鍵一式や売買代金の振込先口座がわかるもの(通帳やキャッシュカード)が必要です。不動産会社と連携して、不動産の引き渡し当日までに必要書類などを準備しておきましょう。
» 住宅ローンが残る家の売却で失敗を避けるための注意点
» 不動産の引き渡し時によくあるトラブルと対処法

不動産売却の特殊なケースで追加される必要書類

不動産売却を検討するための複数の物件模型(一戸建て、二階建てなど)とクリップボード

不動産売却では所有者の状況によって追加の書類が必要になることがあります。以下のケース別に不動産売却時に必要となる書類を解説します。

  • 相続した不動産を売却する場合
  • 成年後見人が成年被後見人の不動産を売却する場合
  • 海外在住者が不動産を売却する場合

» 不動産売却の理由は価格に影響する?伝える範囲とポイント

相続した不動産を売却する場合

相続した不動産を売却する場合は相続を証明する書類が必要です。不動産の所有者が被相続人から相続人に変わったことを法的に証明しないと、不動産売却はできません。相続した不動産を売却する際の必要書類は以下のとおりです。

  • 被相続人(亡くなった人)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 遺産分割協議書(法定割合とは異なる分け方をした場合)
  • 遺言書(遺言による相続の場合)

遺産の分け方を相続人同士の協議で決めたのか、遺言によるのかによって不動産売却時に必要書類は変わります。

成年後見人が成年被後見人の不動産を売却する場合

不動産売却と成年後見制度。積み木で示された成年後見の文字と住宅模型

成年後見人が成年被後見人の居住用の不動産を売却する場合は、家庭裁判所から「居住用不動産処分許可」を得なければなりません。居住用不動産処分許可は不動産売却が成年被後見人の利益になるかを裁判所が判断するための手続きです。

家庭裁判所へ居住用不動産処分許可を申し立てるには、後見登記事項証明書と不動産の査定書を提出します。居住用不動産処分許可が下りるまで1〜2か月かかるため、余裕を持って計画しましょう。

成年後見人が成年被後見人の投資用物件や空き地を売却する際、居住用不動産処分許可は不要です。居住用不動産処分許可は複雑な手続きになるため、成年後見制度に詳しい司法書士や不動産会社へ相談すると安心です。

海外在住者が不動産を売却する場合

海外在住者が日本の不動産を売却する場合は、必要となる住民票や印鑑証明書を取得できないため、代わりの書類を用意します。海外在住者が不動産を売却する場合に必要な書類は以下のとおりです。

  • 在留証明
  • サイン証明書(署名証明書)
  • 有効期限内のパスポート

海外在住者が不動産を売却する場合に必要な書類は、住んでいる国の日本大使館や総領事館で取得できます。日本にいる家族などに不動産売却手続きを代理してもらう場合は「委任状」が必要です。

海外在住者が不動産売却によって利益を得た場合は確定申告のため「納税管理人(※)」を立てて税務署に届け出る必要があります。原則、買主が売買代金の一部(10.21%)を源泉徴収し税金として納める制度が適用されます。

※ 納税管理人とは海外在住者に代わって納税手続きを行う人のことです。日本に住んでいる人なら誰でも納税管理人に選任できます。

不動産売却時の必要書類に関するQ&A

不動産売却のよくある質問(FAQ)。木の家、電卓、FAQの文字で疑問解決を表現

不動産売却時の必要書類に関する以下のよくある質問について解説します。

  • 必要書類はコピーでも大丈夫?
  • 必要書類の取得を代行してもらえる?
  • 必要書類を取得するときの注意点は?

» 不動産を売却する際によくある悩みと解決策を詳しく解説

必要書類はコピーでも大丈夫?

不動産の査定段階では必要書類のコピーで対応可能です。しかし、不動産の売買契約や引き渡し時には登記済権利証や印鑑証明書などの必要書類は原本が必要となります。

不動産売却の必要書類は原本でなければ法的効力を持たないため、契約が無効になったり手続きが進まなかったりする場合があります。コピーはあくまで参考用と考え、不動産売却の正式な場面では必ず必要書類の原本を提出しましょう。

必要書類の取得を代行してもらえる?

不動産売却にかかる費用、仲介手数料。手数料の文字、電卓、家の模型

住民票や固定資産評価証明書は、司法書士や不動産会社に依頼して取得を代行してもらえます。不動産売却に必要な書類の取得を代行してもらうには委任状と手数料が必要です。不動産会社が提携司法書士を紹介してくれる場合もあります。

登記済権利証や登記識別情報、実印と印鑑証明書、本人確認書類などは本人しか用意できません。不動産売却の必要書類を取得する際、代行可能か自分で用意すべきか不明なときは、不動産会社の担当者に相談することがおすすめです。

必要書類を取得するときの注意点は?

不動産売却の必要書類である印鑑証明書や住民票などは、有効期限(発行から3か月以内)があるため、提出のタイミングに合わせて取得しましょう。不動産売却の必要書類によって市区町村役場や法務局など取得先が異なり、発行には手数料がかかる場合があるため、事前に場所と費用を確認しておくことがおすすめです。

登記済権利証や登記識別情報は再発行できないため、紛失しないよう保管しておく必要があります。売却する不動産が共有名義の場合は、名義人全員分の書類が必要です。住民票を取得する際はマイナンバーを記載せずに発行しましょう。

不動産売却に必要な書類を準備して、スムーズに手続きを進めよう

不動産を売却するためには必要な書類を事前に把握し、計画的に準備しておきましょう。必要書類を準備しておくことで不動産売却の遅延やトラブルを防ぎ、スムーズに手続きできます。

不動産売却に必要な書類の準備や手続きに不安がある場合は、不動産会社や司法書士などの専門家へ相談することがおすすめです。確実に不動産売却を進めたい人は不動産会社の「買取サービス」を活用することも有効です。

専門家へ相談することで不動産の査定から売買契約、引き渡しまでを安心して進められます。不動産売却の代金を受け取る時期も明確になり、今後のマイホーム購入などの資金計画も立てやすくなります。
» 【目的別】不動産売却の相談先6選を徹底解説!

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この記事の監修者

山本 祥宏のアバター 山本 祥宏 株式会社komorebi 代表取締役社長

売買・投資用不動産・賃貸仲介などを経験。数字や条件だけでなく、お客様一人ひとりの背景や将来設計を踏まえた提案、そして「相談してよかった」と思っていただける関係づくりを大切にしています。

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