公示価格と実勢価格の違いとは?正しい計算方法と4つの調べ方【徹底比較】

公示価格と実勢価格の違いを正しく理解したうえで、売却したい家。
  • 不動産の価値を知るには公示価格と実勢価格のどちらを参考にすれば良い?
  • 売却したい不動産の公示価格と実勢価格を自分で調べる方法はある?
  • 公示価格と実勢価格の違いを理解したうえで不動産を売却したい

公示価格と実勢価格の違いを理解していないと、適正価格で不動産を売却できない場合があるため、価格の相場を把握することは重要です。この記事では公示価格と実勢価格の違いや調べ方、計算方法を解説します。記事を読めば不動産の適正価格を把握でき、納得のいく不動産売却が実現します。

公示価格は国が公表する土地の基準価格で、実勢価格は市場で実際に取引される価格です。公示価格と実勢価格の違いを理解し、適正価格で不動産を売却しましょう。

目次

公示価格と実勢価格とは?基本定義と違い

場所に関わらず全国で共通している公示価格と実勢価格の基本定義や違いをイメージ。

公示価格と実勢価格の基本定義と違いについて、以下の項目を解説します。

  • 公示価格とは国が毎年公表する土地の基準価格
  • 実勢価格とは市場で実際に取引される売買価格
  • 公示価格と実勢価格の違い
  • その他の土地価格指標と実勢価格の違い

公示価格とは国が毎年公表する土地の基準価格

公示価格とは国土交通省が毎年1月1日時点の土地の価格を公表する指標です。全国の標準地を対象に、不動産鑑定士が評価した価格をもとに土地鑑定委員会が審査して公示します。土地の価値を客観的に把握するための基準として公示価格は利用され、一般の土地取引や公共事業の用地取得の際に参考にされます。

ただし、公示価格は実際の取引価格とは異なる場合があるため注意が必要です。土地の売買を検討する際は公示価格だけでなく、実際の市場動向も考慮しましょう。

実勢価格とは市場で実際に取引される売買価格

買い手と売り手が実際の取引にもとづく価格(実勢価格)で納得し、契約が成立した様子をイメージ。

実勢価格とは市場で実際に取引される不動産価格のことで、買い手と売り手の需要と供給のバランスによって決まります。実勢価格は以下の条件や状態によって変動する傾向があります。

  • 物件の状態
  • 立地条件
  • 経済状況

過去の取引事例や類似物件の価格を参考にすれば、実勢価格を推測することが可能です。実勢価格の場合、公示価格や路線価などの公的な価格指標とは定義が異なる点も特徴の一つです。実際の取引にもとづく価格であるため、実勢価格はより現実的な不動産の価値を反映しています。

不動産の売買価格を検討する際の参考価格としても実勢価格は役立ちます。
» 家の売却相場を決定する要因と高く売るためのポイントを解説!

公示価格と実勢価格の違い

公示価格と実勢価格の主な違いを以下の表にまとめました。

比較対象公示価格実勢価格
定義国が公表する土地の基準価格市場で実際に取引される価格
決定主体国土交通省市場参加者
決定時期毎年1月1日時点取引時点
公表時期毎年3月下旬非公開
価格水準地域や市況により異なる実際の取引価格
変動頻度年1回常時変動
利用目的公共事業の用地取得、一般の土地取引の指標不動産取引の参考価格

公示価格は年1回の更新で決まるのに対し、実勢価格は取引ごとに変動する点が大きな違いと言えます。

公示価格と実勢価格の差

公示価格と実勢価格の差を確認している男性。

公示価格と実勢価格は物件の条件や経済情勢などによって差がでることがあります。公示価格と実勢価格の差について、以下の項目を解説します。

  • 実勢価格は公示価格の1.1〜1.2倍が一般的な目安
  • エリア別|公示価格と実勢価格の乖離率の実態
  • 公示価格と実勢価格に差が生じる2つの理由

実勢価格は公示価格の1.1〜1.2倍が一般的な目安

実勢価格は公示価格の1.1〜1.2倍程度が多いとされており、市場の需要と供給のバランスによって決まります。公示価格よりも実勢価格が高くなる傾向がありますが、あくまで一般的な目安です。地域や物件の特性によって、実勢価格は大きく異なる場合があります。不動産会社や鑑定士に相談すれば、より正確な実勢価格を知ることが可能です。
» 【目的別】不動産売却の相談先6選を徹底解説!

エリア別|公示価格と実勢価格の乖離率の実態

エリア別に公示価格と実勢価格の乖離率の実態を確認している専門家たち。

公示価格と実勢価格の乖離率はエリアによって大きく異なります。乖離率の違いを以下の表にまとめました。

エリア乖離率
都市部10〜20%
地方都市5〜15%
郊外0〜10%
過疎地域0〜5%

都市部では公示価格と実勢価格の乖離率が高く、地方では低い傾向があります。公示価格と実勢価格の乖離率は、地域の特性や市場の状況によって変動するため注意が必要です。乖離率はあくまで目安で、過疎地域についてはマイナスになる場合もあります。

公示価格と実勢価格に差が生じる2つの理由

公示価格と実勢価格に差が生じる主な理由は以下の2つです。

  • 公示価格は年1回の公表で市場の変動を反映しにくい
  • 公示価格は標準地の価格で個別の土地の特性を反映しない

公示価格と実勢価格に差が生じる理由を把握しておけば、公示価格だけに頼らず、実際の市場価値を正しく判断できるようになります。

公示価格の調べ方|「不動産情報ライブラリ」を使った手順

国土交通省が提供する不動産情報ライブラリの利用し、適正な取引価格の目安を把握している男性。

公示価格を調べる際は国土交通省が提供する不動産情報ライブラリの利用がおすすめです。不動産情報ライブラリは2024年4月1日に運用が開始されたサービスで、誰でも無料で利用できます。不動産情報ライブラリを使えば、簡単に公示価格を確認できます。

不動産情報ライブラリの使い方は以下のとおりです。

  1. トップページから「地価の情報をご覧になりたい方へ」を選択し「データの検索」を選択する
  2. 調べたい地域を選択する
  3. 表示された地価情報から、目的の土地の公示価格を確認する

不動産情報ライブラリはスマートフォンやタブレットでも利用できるため、外出先でも手軽に公示価格を調べられます。土地の売買や相続の際にも不動産情報ライブラリで公示価格を確認すれば、適正な取引価格の目安を把握できます。

実勢価格の調べ方|自分でできる4つの方法

不動産会社に査定を依頼し、物件を評価してもらっている様子を示す。

実勢価格は以下の4つの方法で調べられます。

  • 「不動産情報ライブラリ」で過去の取引価格を調べる
  • 公示価格・相続税路線価・固定資産税評価額から計算で推測する
  • 査定シミュレーションを利用する
  • 不動産会社に査定を依頼する

「不動産情報ライブラリ」で過去の取引価格を調べる

不動産情報ライブラリでは実際に取引された不動産の実勢価格情報を確認できるため、地域の不動産市場の動向を把握できます。取引価格は常に変動しているため、不動産情報ライブラリを利用する際は最新の実勢価格情報を確認することが大切です。

公示価格・相続税路線価・固定資産税評価額から計算で推測する

公示価格や相続税路線価、固定資産税評価額から実勢価格を以下の計算式で推測できます。

  • 公示価格から実勢価格を推測する場合:公示価格×1.1〜1.2
  • 相続税路線価から実勢価格を推測する場合:相続税路線価÷0.8×1.1〜1.2
  • 固定資産税評価額から実勢価格を推測する場合:固定資産税評価額÷0.7×1.1〜1.2

実勢価格を求める計算式はあくまで目安であり、実際の取引価格とは異なる場合があります。より正確な実勢価格を知りたいときは不動産会社や鑑定士に相談しましょう。

査定シミュレーションを利用する

専門家による不動産価格の査定結果を示している様子をイメージ。

査定シミュレーションを利用すると、不動産の実勢価格を簡単に推測できます。多くの不動産会社が無料で提供しているオンラインツールを使えば、手軽に実勢価格を知ることが可能です。査定シミュレーションを利用する際は物件の情報を正確に入力しましょう。

複数の不動産会社の査定結果を比較すると、より正確な実勢価格を推測できます。ただし、査定結果は実際の取引価格とは異なる場合があります。査定結果は参考程度にとどめ、最終的な判断は専門家のアドバイスを受けましょう。

不動産会社に査定を依頼する

不動産会社に査定を依頼すると、専門家の目で物件を評価してもらえるため、より信頼性の高い価格を把握できます。不動産会社に査定を依頼する際は複数社に依頼することで、より正確な実勢価格を知ることができます。

不動産会社の査定は無料で利用できる場合が多いため、気軽に利用可能です。査定結果を比較検討し、信頼できる不動産会社を選びましょう。
» 不動産査定の3つの種類と評価方法をわかりやすく解説

公示価格から実勢価格の目安を計算する方法

複数の計算式から公示価格から実勢価格の目安を計算する様子。

公示価格から実勢価格の目安を計算する際は以下の方法を実践すれば、実勢価格を推測できます。以下の計算式はあくまで実勢価格を推測するもので、正式な換算式ではないため、注意してください。

  • 公示価格を1.1〜1.2倍して実勢価格を推測する
  • 路線価を0.8で割って実勢価格を推測する
  • 固定資産税評価額を0.7で割って実勢価格を推測する

公示価格を1.1〜1.2倍して実勢価格を推測する

公示価格に1.1〜1.2をかけると、実勢価格の目安を計算できます。例えば公示価格が1,000万円の場合、実勢価格は1,100〜1,200万円程度と推測できます。

実勢価格は物件の状態や立地条件、経済状況などの要因によって変動するため注意が必要です。実勢価格をより正確に把握するには、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。不動産会社や鑑定士に相談すれば、より正確な実勢価格を知ることができます。

路線価を0.8で割って実勢価格を推測する

路線価をもとに計算し、実勢価格を推測している女性。

路線価を0.8で割り(※1)、算出された公示価格を1.1〜1.2倍すると実勢価格の推測が可能です。路線価とは国税庁が公表する土地の価格指標のことです。例えば路線価が1,000万円の場合、実勢価格は1,375〜1,500万円程度と推測できます。路線価は相続税や贈与税の算定基準としても利用されています。

※1 路線価は公示価格の約80%に設定されています。

固定資産税評価額を0.7で割って実勢価格を推測する

固定資産税評価額を0.7で割り(※2)、算出された公示価格に1.1〜1.2をかければ、実勢価格の目安が計算できます。固定資産税評価額とは、固定資産税の計算に使われる土地の価格指標のことです。例えば固定資産税評価額が1,000万円の場合、実勢価格は1,571〜1,714万円程度と推測できます。

※2 固定資産税評価額は公示価格の約70%に設定されています。

実勢価格を調べる際の注意点

実勢価格を調べる際の注意点の一つである土地固有の条件で価格が大きく変動した土地。

実勢価格を調べるときは以下の注意点があります。

  • 実勢価格はあくまで「目安」であり売却価格とは異なる
  • 売出価格と成約価格(実勢価格)は一致しないことが多い
  • 過去の取引データは現在の相場とズレる可能性がある
  • 土地固有の条件で価格は大きく変動する

実勢価格はあくまで「目安」であり売却価格とは異なる

あくまで実勢価格は目安であり、実際の売却価格とは異なります。実勢価格は以下の状況によって変動するため、正確な売却価格を知るには不動産会社や鑑定士の査定が必要です。

  • 物件の特性
  • 売却時期
  • 取引条件
  • 経済状況

実勢価格は物件の価値を把握するための参考になりますが、最終的な売却価格は交渉によって決まります。実勢価格を参考にしつつ、適正な価格での取引を目指しましょう。

売出価格と成約価格(実勢価格)は一致しないことが多い

不動産サイトで売出価格を確認し、成約価格と一致しているか知りたいと思っている女性。

売出価格と成約価格(実勢価格)は一致しないことが多いため、注意が必要です。売出価格と成約価格の差は物件の状態や立地条件、経済状況などの要因によって生じます。

売出価格は売主が希望する価格であり、成約価格は実際に取引が成立した価格です。成約価格と実勢価格は厳密には異なりますが、実務上はほぼ同義として扱われます。不動産サイトで見る価格は売出価格のため、成約価格を知りたいときは過去の取引事例を確認することをおすすめします。

過去の取引データは現在の相場とズレる可能性がある

過去の取引データは現在の相場と異なる場合があります。過去の取引データと現在の相場がズレる理由は以下のとおりです。

  • 市場の変動
  • 経済情勢の変化
  • 政策の影響
  • 物件の状態変化
  • 周辺環境の変化

過去の取引データを参考にするときは現在の市場状況や物件の状態を考慮しましょう。過去の取引データと現在の状態を把握すれば、適正価格で不動産を売却できる可能性が高まります。

土地固有の条件で価格は大きく変動する

条件によって土地の価格は大きく変動する傾向にあります。土地の価格に影響を与える主な要因は以下のとおりです。

  • 立地条件
  • 形状や面積
  • 接道状況
  • 周辺環境
  • 用途地域や建ぺい率、容積率などの法規制
  • 地盤の状態や災害リスク
  • 日照や眺望
  • インフラの整備状況
  • 土地の履歴や権利関係

土地の価格はさまざまな要因が複雑に絡み合って決まります。不動産会社や鑑定士に相談すれば、土地の価格を把握することが可能です。

公示価格と実勢価格の違いを理解して納得のいく不動産売却をしよう

納得のいく不動産売却ができ、担当者と笑顔で握手を交わす夫婦。

公示価格と実勢価格の違いを理解することは不動産売却を成功させるために必要です。公示価格と実勢価格の大きな違いは価格の変動頻度です。公示価格は年1回の更新で決まりますが、実勢価格は取引ごとに変動します。

実勢価格を調べたい場合は以下の方法を利用しましょう。

  • 「不動産情報ライブラリ」で過去の取引価格を調べる
  • 公示価格・相続税路線価・固定資産税評価額から計算で推測する
  • 査定シミュレーションを利用する
  • 不動産会社に査定を依頼する

より正確な実勢価格を把握できれば、納得できる不動産売却につながります。
» 不動産売却の流れを完全ガイド|初心者でも失敗しない手順を解説

このページをシェアする

この記事の監修者

売買・投資用不動産・賃貸仲介などを経験。数字や条件だけでなく、お客様一人ひとりの背景や将来設計を踏まえた提案、そして「相談してよかった」と思っていただける関係づくりを大切にしています。

目次