1年以上売れない家の原因とリスクは?売れない家を有効活用する方法を徹底解説!

青空の下に建つ、外壁がベージュで整然とした築年数のある家。広い駐車場があるが1年以上売れない家の現状。
  • 家を売りに出して1年以上経つが、買い手が見つからない
  • 内覧の申し込みはあるのに、なぜか成約に至らない
  • 固定資産税などの維持費がかかるため、家の売却に焦りを感じている

1年以上売れない家があると、売却活動に焦りを感じる方は多いはずです。売れない状況が長引けば家の資産価値は下がり続けるため、原因を特定して早めに改善策を講じることが重要です。

この記事では1年以上売れない家の原因と、売却しやすくするための具体的な対策を解説します。記事を読めば自分の家の状況に合った解決策が見つかり、売却成功に向けた次の一歩を踏み出せます。

1年以上売れない家はまず原因を特定し、売り出し価格や媒介契約をしている不動産会社を見直すことが効果的な改善策です。どうしても家の売却が難しい場合は不動産会社に買取を依頼することも視野に入れましょう。

目次

1年以上売れない家の6つの原因

1年以上売れない家の売却のために、専門家が模型を使い、物件の問題点や売れない原因を詳細に調査・分析する様子。

1年以上売れない家の主な原因は以下の6つです。

  • 売り出し価格が市場価格と合っていない
  • 築年数が古く資産価値が下がっている
  • 立地条件が悪い
  • 物件の劣化や損傷が激しい
  • 清掃・整頓不足で内覧時の印象が悪い
  • 不動産会社による売却活動が十分に行えていない

売り出し価格が市場価格と合っていない

1年以上売れない家の原因の一つは、売り出し価格が市場の相場と合っていないことです。家の買い手は周辺の類似物件の価格を比べることが一般的です。インターネットの物件情報サイトでは価格の絞り込み検索が使用されることも多く、高すぎる物件は検索結果に表示されない可能性があります。

家の売り出し価格を高く設定した結果、買い手に内覧や問い合わせの候補から外されてしまえば、成約にはつながりません。売り出し価格が高すぎる物件は長期間売れ残ることで「何か問題がある物件だ」という印象を与えるリスクもあります。買い手が購入を検討する機会を逃さないよう、売り出し価格は慎重に設定する必要があります。

築年数が古く資産価値が下がっている

草木が生い茂り、老朽化して買い手がつかない空き家。このままでは1年以上売れない家となってしまう典型的な例。

家の築年数が古く建物や設備の老朽化が進んでいると、資産価値が下がって売れにくくなる可能性があります。買い手にとって、古い家を買うことには以下の懸念点があります。

  • 現行の耐震基準を満たしていない
  • 安全性が低下している
  • 将来的にリフォーム費用がかさむ
  • 住宅ローンの審査に通らなくなる
  • 税金の優遇が受けられない

木造の戸建ては築20〜25年程度で建物の価値がほぼなくなり、資産価値は土地の価値に依存するようになることが一般的です。
» 家を売る最適なタイミングと6つの判断要素を解説!

立地条件が悪い

立地条件の悪さも、1年以上売れない家の原因の一つです。立地条件は家の暮らしやすさに大きな影響を与えます。立地は後から変えられない要素のため、買い手が家を買う際の重要な判断材料となります。家を売れにくくする立地条件の例は以下のとおりです。

  • 最寄駅から遠い
  • 周辺にスーパーや病院などの生活に必要な施設がない
  • 線路や幹線道路が近く、騒音がある
  • 近所にお墓や工場などの施設がある
  • 周辺の建物によって日当たりや眺望が遮られている
  • 災害リスクが高い

物件の劣化や損傷が激しい

1年以上売れない家に潜む欠陥や問題点を示す警告マーク。売却を成功させるための注意喚起。

物件の劣化や損傷が激しいと買い手を見つけることが難しく、家が売れにくくなります。家の買い手は購入後の修繕費用や建物の安全性を重視します。内覧時に買い手に不安を与える物件の例は以下のとおりです。

  • 屋根や壁に雨漏りやひび割れがある
  • 柱や床に傾きがある
  • 基礎や柱の腐食が進んでいる
  • シロアリ被害が見られる
  • 設備が故障している

目に見える損傷や欠陥があると買い手の購入意欲を大きく下げてしまい、家の売却が困難になります。

清掃・整頓不足で内覧時の印象が悪い

家の中が汚れていたり物が散らかっていたりすると、内覧に来る人の印象が悪くなって家が売れにくくなる場合があります。以下のような家は買い手に悪い印象を与える可能性があるため注意が必要です。

  • 水回りに汚れやカビが発生している
  • ペットやタバコの臭いがする
  • 荷物が多く、室内が狭く見える
  • 荷物が乱雑に置かれている

部屋が乱れていると「家を大切に扱っていない」とみなされ、買い手に建物の状態に対する不安を抱かせます。一度不安を抱かせてしまうと、家が汚れていることを理由に買い手から値下げ交渉されるケースもあります。家の清掃や整頓ができていないと有利な売却の機会を逃す可能性があるため注意しましょう。

不動産会社による売却活動が十分に行えていない

不動産会社の売却活動が不十分なために、1年以上売れない家になるケースもあります。売主に対して売却活動の報告をしない不動産会社には注意しましょう。不動産会社がインターネットの物件サイトへの掲載やチラシの配布などの活動を積極的に行わないと、物件情報は購入希望者に届きません。

不動産会社間で物件情報を共有する「レインズ(REINS)」に物件を登録しておらず、他の会社の顧客から問い合わせが入らない場合もあります。専属専任媒介契約や専任媒介契約の場合、レインズへの登録は法律で義務付けられています。他の不動産会社に情報を出さずに自社だけで買い手を見つけようとする「囲い込み」にも注意が必要です

物件に対する問い合わせや内覧はあっても、不動産会社の担当者の対応が悪く成約に至らないケースも起こり得ます。本来魅力的な家でも委託する不動産会社によって売れにくくなる場合があるため、不動産会社選びは慎重に行う必要があります。
» 不動産売却の注意点とは?トラブルを防ぐ方法を解説!

1年以上売れない家を売却しやすくする方法

1年以上売れない家を売却するための重要ポイントや売却戦略。価格設定の見直し。

1年以上売れない家を売却しやすくする方法として、以下を解説します。

  • インスペクションを実施して物件の状況を把握する
  • 売り出し価格を適正化する
  • ホームクリーニングやホームステージングを実施する
  • 不動産会社や媒介契約を見直す

インスペクションを実施して物件の状況を把握する

物件の状態が原因で家が売れない場合、インスペクション(住宅診断)の実施がおすすめです。インスペクションでは住宅診断士が家の状態を客観的に調べることで、問題のある箇所の把握が可能です。家の見た目だけではわからない部分を調査して状態を明確にすることで、買い手の不安を解消し安心して購入を検討してもらえます。

インスペクションの結果をもとに、家を修繕してから売り出すか、リフォーム前提の値引き価格で売り出すかなどの売却方針を決められます。気付いていなかった欠陥が売却後に見つかり、買い手とのトラブルになるリスクを減らせる点もインスペクションのメリットです。

売り出し価格を適正化する

1年以上売れない家の価格査定を実施中。電卓で計算し、適正な売却価格を設定することの重要性。

1年以上家が売れない場合は、売り出し価格が適正かを見直すことも欠かせません。売り出し価格を見直す方法は以下のとおりです。

  • 周辺の類似物件の成約・売り出し価格を調べる
  • 不動産ポータルサイトで最新の市場相場を把握する
  • 複数の不動産会社に査定を依頼する
  • 不動産会社の担当者と値下げのタイミング・価格幅を相談する
  • 売却期間から逆算して現実的な売り出し価格を設定する

内覧希望者が減少したタイミングで売り出し価格を見直すことも良い方法です。客観的なデータにもとづいて売り出し価格を調整すれば買い手の目に留まりやすくなり、売却の可能性を高められます。

ホームクリーニングやホームステージングを実施する

ホームクリーニングやホームステージングの実施は、家の第一印象を良くして売却を後押しするために有効な方法です。専門業者にホームクリーニングを依頼すると、自分での清掃は難しい箇所の汚れも綺麗にできます。キッチンや浴室、トイレといった水回りの頑固な汚れや臭いを徹底的に取り除くと、家全体が格段に清潔な印象になります。

ホームステージングは家具や装飾品を配置して、モデルルームのように部屋を飾る手法です。空き家の場合はホームステージングで家具や小物を付け足すことで温かみのある生活感を演出できます。居住中の家の場合はホームステージングにより不要な物を片付けて、洗練された印象に変えることが可能です。

物件の魅力を引き出し、買い手に引っ越し後の生活をイメージさせられる点がホームステージング実施のメリットです。

不動産会社や媒介契約を見直す

不動産会社の販売力や熱意は売却活動の成果に大きく影響します。1年以上家が売れない場合、以下の点を基準にしてより信頼性の高い不動産会社へ見直すことも一つの方法です。

  • 豊富な売却実績がある
  • 過去の利用者の良い口コミが多い
  • 物件の魅力を引き出す提案をしてくれる
  • 広告や写真撮影の質が高い
  • 連絡のレスポンスが速い

不動産会社との媒介契約を見直すことも、1年以上売れない家の売却活動を改善するために良い方法です。不動産会社に売却活動を委託する際に結ぶ媒介契約には、専属専任媒介契約と専任媒介契約、一般媒介契約の3種類があります。

一般媒介契約は複数の不動産会社と契約ができる自由度の高い形式である一方で、担当者の対応が手薄になりやすい傾向もあります。専任媒介契約は不動産会社1社のみの契約に制限されますが、売主が自分で買い手を探すことは可能です。専属専任媒介契約は不動産会社1社のみの契約に制限され、売主が自分で買い手を探すこともできません。

短期間で集中して売却活動を終わらせたい場合は、不動産会社と売主双方の拘束力が高い専属専任媒介契約を結ぶことがおすすめです。

家が長期間売れない場合に生じる3つのリスク

1年以上売れない家のリスクについて、専門家が模型を使い慎重に調査・分析する様子。

家が長期間売れない場合に生じる以下の3つのリスクを解説します。

  • 資産価値が著しく低下する
  • 維持管理費が増大する
  • 特定空き家に指定される可能性がある

資産価値が著しく低下する

家が長期間売れない最大のリスクは資産価値の著しい低下です。長期間家が売れないと、物理的な劣化による価値の下落が生じやすくなります。長期間売れない家は「売れ残り物件」というイメージのせいで市場価値が下がる場合もあります。

売却を決めた時点での不動産市場の状況と現状が大きく変わってしまう可能性がある点も、長期間売れない家のリスクの一つです。家の売り出し時には物件の需要が高くても、数か月後には類似物件が多数出て競合が増え、価値が下がるケースがあります。

家の物理的な状態は大きく変わっていなくても、長期間売れないことによる資産価値の低下は起こり得るため注意が必要です。

維持管理費が増大する

1年以上売れない家の売却にかかる費用や税金を計算する様子。

家は売却活動中も維持管理費がかかるため、1年以上売れない家は経済的な負担が増大します。主な家の維持管理費には以下が挙げられます。

  • 固定資産税や都市計画税
  • 管理費や修繕積立金(マンションの場合)
  • メンテナンス費用
  • 保険料

空き家の状態が続くと老朽化が進み、家に住んでいたときよりも多くの維持管理費がかかる場合もあります。最終的に家が売れても、かかった維持管理費を差し引くと収支がマイナスになるケースもあります。

特定空き家に指定される可能性がある

長期間売れない家を放置していると、自治体から「特定空き家」に指定される可能性があります。特定空き家とは倒壊のリスクや衛生上の問題、景観の悪化などにより、周辺環境に悪影響を与えている家のことです。特定空き家に指定されると所有者は以下の順に自治体の介入を受けます。

  1. 指導・助言:自治体からの通知を受け取る
  2. 勧告:固定資産税の優遇措置が適用されなくなり、税額が最大6倍になる可能性がある
  3. 命令:無視すると、最大50万円の過料(行政上の制裁金)が科される
  4. 行政代執行:家が強制的に解体され、解体費用は所有者に請求される

特定空き家に指定されると大きな金銭負担が発生する可能性があるため、早期の改善が欠かせません。
» 空き家処分の放置リスクと費用・税制優遇対策

1年以上売れない家を有効活用する方法

両手に乗せられた精巧な戸建て住宅の模型。大切にしてきた家が1年以上売れない現状を改善したい。

1年以上売れない家は売却だけにこだわらず、別の方法で有効活用することも検討しましょう。1年以上売れない家を有効活用する方法として以下の3つを解説します。

  • 賃貸物件として運用する
  • 寄付や譲渡によって手放す
  • 不動産会社に買取を依頼する

賃貸物件として運用する

1年以上売れない家を賃貸物件として運用すれば、家を資産として持ち続けながら毎月安定した家賃収入を得られます。不動産市場の状況が良くない時期に家を無理に安く売る必要がなくなり、市場が回復してから再度売却を試みることも可能です。

賃貸物件として運用すれば、空き家の状態が長引いて家が劣化することを防げます。一方で、賃貸物件には空室リスクや入居者とのトラブルなどのリスクも存在します。売却した場合との損益を比較して、1年以上売れない家を賃貸物件として運用するかどうかを慎重に決定しましょう。

寄付や譲渡によって手放す

手のひらに乗せた家のチャーム付きの鍵。1年以上売れない家の譲渡が成立し、新しい家主に引き渡す。

1年以上売れない家を寄付や譲渡によって手放すという選択肢もあります。寄付や譲渡では売却益は得られませんが、固定資産税や修繕費といった維持管理の負担から解放される点はメリットです。

家の寄付先として国や地方自治体、NPO法人などが候補となります。公的機関では利用価値が低い物件や管理が難しい物件の寄付を受け付けていないケースもあるため、事前に問い合わせましょう。

家を親族や知人に譲渡する際は、税金や個人間トラブルのリスクに注意が必要です。家を無償で譲ると、贈与税の基礎控除額(年間110万円)を超える価値がある場合、受け取った側に贈与税がかかる可能性があります。専門家を介さずに譲渡を行うと、後で家の欠陥が見つかった場合に責任問題を巡って個人間トラブルが起こる可能性もあります。

寄付や譲渡を行う際は物件の状態や双方が負うリスクをよく理解したうえで、やり取りするようにしましょう。

不動産会社に買取を依頼する

1年以上売れない家は不動産会社に直接買い取ってもらうことも一つの手です。不動産会社による買取では一般の買い手を探す必要がなく、短期間で確実に家を現金化できます。買取では古い家や傷んでいる家でも修理やリフォームをせずに引き渡しができ「契約不適合責任を免除する特約(※)」を設けられます。

不動産会社に買取を依頼する場合、売却価格は市場で売る場合の7~8割程度になることが一般的です。売却価格は安くなるものの、手間をかけずに早く家を手放したい人に不動産会社の買取はおすすめの方法です。
» 不動産買取のよくあるトラブル事例と悪質業者の見分け方

※ 契約不適合責任を免除する特約とは、物件が契約内容に適合しない場合、売主が責任を負わないようにする取り決めを指します。

1年以上売れない家はそのままにせず、早めに売却するための対策を打とう

売物件の看板が立つ、築年数の古い和風の家屋。1年以上売れない家の空き家活用。

1年以上売れない家の主な原因には売り出し価格が高すぎることや、立地条件が悪いことなどが挙げられます。家を売りやすくするためにはインスペクション(住宅診断)で物件の状況を把握することや、ホームクリーニングの実施などが効果的です。

1年以上売れない家をそのままにしていると、資産価値の低下や維持管理費の増大などのリスクが生じます。長期間家が売れない場合は問題を先延ばしにせず、早急に手を打つことがおすすめです。売却以外にも賃貸物件としての運用や不動産会社に買取を依頼する方法などを選択肢に入れ、売れない家を有効活用しましょう。

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この記事の監修者

売買・投資用不動産・賃貸仲介などを経験。数字や条件だけでなく、お客様一人ひとりの背景や将来設計を踏まえた提案、そして「相談してよかった」と思っていただける関係づくりを大切にしています。

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