注文住宅が売却しにくい3つの理由とスムーズに進めるためのステップを解説

カラフルな注文住宅の模型とFor Sale(売却中)の看板。売却しにくい理由を暗示
  • 注文住宅がどれくらいの価格で売れるか不安
  • 注文住宅は売りにくいと聞いているため、売却できるか心配
  • 注文住宅の売却手順がわからない

愛着のある注文住宅を売却することに不安を感じていませんか?注文住宅は個性が強く、売却が難しい側面があることも事実です。計画を立てずに注文住宅の売却を進めると、希望価格で売れなかったり、売却に時間がかかったりするリスクがあります。

この記事では注文住宅が売却しにくいと言われる理由から売却成功のポイント、具体的な手順までをわかりやすく解説します。記事を読むことで、スムーズに注文住宅を売却するための知識を身に付けることが可能です。注文住宅を高く売却するためには家の価値を把握し、最適な売却方法の検討が必要です。売却の全体像を把握することで、無駄な時間をかけずに、一番納得できる条件で注文住宅を引き渡せます。

目次

中古注文住宅の需要は近年高まりを見せている

木製デスク上の注文住宅の模型と観葉植物。中古注文住宅の需要や市場価値の高まりを表現

近年、中古の注文住宅への需要が増加しています。国土交通省の調査によると、中古住宅の需要は年々高まっており、都市近郊ではリノベーションを前提に購入するケースが増えています
» 国土交通省「中古住宅の流通促進・活用に関する研究会報告書」(外部サイト)

新築価格や建築コストが上昇したことで、広さや立地を優先して中古住宅を選ぶ人が増えたことが需要を押し上げている要因の一つです。個性的なデザインを求める人の増加や、リノベーションの人気、在宅ワーク普及も中古注文住宅の需要を後押ししています。

注文住宅が売却しにくいと言われる理由3選

注文住宅の売却を担当する不動産会社の社員。売却しにくい理由について真剣に思案中

注文住宅は理想を形にした特別な家ですが、こだわりが売却時の売りにくさにつながる場合があります。以下の3つの要因が購入希望者の幅を狭め、売却を難しくする原因とされています。

  • デザインや仕様が市場のニーズに合わない
  • 適正な売却価格を判断しにくい
  • 購入希望者の希望に対応しにくい

デザインや仕様が市場のニーズに合わない

注文住宅は建てた人のこだわりが反映されているため、多くの人が求める一般的な家のイメージとずれてしまうことがあります。買主は自分たちの暮らしに合う家を求めているため、こだわりの強い注文住宅ほど売却が難しくなる傾向があります。

注文住宅の個性的なデザインや仕様が売却を難しくする要因は以下のとおりです。

外観や内装デザイン
独創的な色使いや装飾が目を引く一方で、買主によっては落ち着かない印象を受けることがあります。
特別な設備や素材
海外製のキッチンや特注の建具などはメンテナンスが難しく、買主が敬遠する要因になります。
年数が経過した水まわり設備
10年以上前の水まわり設備は、デザインや仕様がニーズに合わず、敬遠される要因の一つです。
オーバースペックな設備
床暖房や太陽光パネルなどが過剰に設置されていると、維持コストの高さがマイナス評価になることがあります。
特殊な間取り
二世帯住宅や店舗併用住宅、吹き抜けの多い設計などは生活スタイルが合う人が限られるため、買い手が絞られやすい傾向があります。

適正な売却価格を判断しにくい

注文住宅の売却における適正な価格の判断、査定、売却価格の計算を表現

注文住宅は一つひとつがオリジナルで建てられているため、適正な売却価格の判断が難しい傾向にあります。同じ条件の注文住宅の物件がほとんど市場にないため、価格の基準となる相場を把握しにくい状況です。

注文住宅の建築にかかった費用や売主の思い入れが、必ずしも売却価格に反映されるとは限りません。買主の好みに合わなければ、費用に見合った評価を得られないこともあります。注文住宅の取引事例が少ないため、不動産会社によっては査定額に大きな差が生じるケースもあります

購入希望者の希望に対応しにくい

注文住宅は売主の好みに合わせて建てられているため購入者の希望に応えにくく、売却が難しくなる傾向にあります。買主が理想の間取りにリフォームしようとしても、注文住宅は構造上の制約で難しい場合があるためです。

注文住宅は売主のこだわりを反映して建てられていることが多く、リフォームしにくい特殊な設備やデザインが採用されているケースもあります。

注文住宅を売却する前に押さえておきたいポイント3選

注文住宅の売却をスムーズに進めるためのステップを表現

注文住宅は個性やこだわりがある分、建売住宅より売却が難しいとされています。事前に以下のポイントを押さえておくことで、スムーズな注文住宅の売却につなげられます。

  • 売却の目的と売りたいタイミングを明確にする
  • 市場情報をもとに適正な価格帯を把握する
  • 自分に合った売却プランを立てる

売却の目的と売りたいタイミングを明確にする

注文住宅を売却するときは「なぜ売るのか」と「いつまでに売りたいのか」を明確にしておきましょう。できるだけ注文住宅を高く売りたい場合と、早く手放したい場合とでは進め方が変わるためです。注文住宅の売却のタイミングを決めておくと、逆算して準備を進めやすくなります

家族がいる場合はなぜ注文住宅を売却するのかを事前に話し合い、意見をまとめておきましょう。最初に注文住宅の売却目的とタイミングを固めておくと、不動産会社に相談する際に自分たちの希望を正確に伝えられます。
» 家を売る最適なタイミングと6つの判断要素を解説!

市場情報をもとに適正な価格帯を把握する

虫眼鏡と電卓で注文住宅の売却価格を査定し、市場情報をもとに適正な価格帯を把握する様子

注文住宅の売却を成功させるためには適切な価格帯を把握しておきましょう事前に注文住宅の相場を調べておけば、不動産会社の査定額が妥当かどうかを判断できます

注文住宅の売却価格の目安を知るには以下の方法がおすすめです。

売り出し価格を調べる
不動産情報サイトで、自宅と似た条件(広さ、築年数、間取りなど)の注文住宅物件がいくらで売りに出されているか確認しましょう。
実際に売れた価格を調べる
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」を利用すると、過去に近隣で実際に売却された物件の価格を把握できます。
土地の公的な価格を参考にする
国土交通省が公表している「公示地価」や国税庁が公表している「路線価」を確認すると、土地の価値を知る手がかりになります。
市場の動向をチェックする
地域の再開発計画や金利の変動といったニュースは不動産価格に影響するため、最新の動向を追っておきましょう。
複数の不動産会社に依頼する
複数の不動産会社に注文住宅の査定を依頼し、提示された金額の根拠を聞くことで、より客観的に売却価格を見極めることが可能です。

» 不動産査定の3つの種類と評価方法をわかりやすく解説

自分に合った売却プランを立てる

注文住宅の売却を成功させるには売主が自分の状況や、希望に合わせた計画を立てることが求められます。「時間をかけてでも住宅を高く売りたい」「早く現金化したい」など注文住宅売却に求める条件はさまざまです。

自分の中で優先順位を事前に決めておかないと、注文住宅売却が思うように進まない可能性があります。注文住宅の売却に向けていつまでに何をすべきか具体的なスケジュールを立ててください。注文住宅市場の相場を参考にして、現実的な売却価格と譲歩できる最低ラインを設定しておきましょう。
» 不動産売却の理由は価格に影響する?伝える範囲とポイント

注文住宅の売却をスムーズに進めるための4ステップ

「STEP1」から「GOAL!!」への階段図。注文住宅の売却をスムーズに進めるための具体的なステップを表現

計画を立てずに注文住宅売却を始めると、希望価格で売れなかったり、売却に時間がかかりすぎたりするリスクがあります。注文住宅の売却を進めるための4つのステップは以下のとおりです。

  • 複数の不動産会社に査定を依頼して適正価格を把握する
  • 不動産会社と媒介契約を締結する
  • 内覧に向けて部屋を整える
  • 売買契約の締結と引渡しを行う

複数の不動産会社に査定を依頼して適正価格を把握する

注文住宅を適正な価格で売却するためには複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。1社だけの査定額では注文住宅の金額が市場の相場と合っているのか正しく判断できません。不動産会社によって査定の基準が異なり、注文住宅売却の査定額に差が出ることがあります。

複数の不動産会社から査定してもらうことで、注文住宅の価値をより客観的に把握できます。複数の不動産会社を比較する場合は一度の入力で複数社に査定を依頼できる「不動産一括査定サイト」が便利です。ただし、査定額の高さだけで不動産会社を選ばないように注意しましょう。

売却価格だけで不動産会社を選ぶと、担当者の対応の質や実績などを見落とす可能性があります。

不動産会社と媒介契約を締結する

不動産会社の担当者が女性顧客に媒介契約書を説明

不動産会社が見つかったら媒介契約を結びます。媒介契約は不動産会社に注文住宅の売却活動を依頼するための契約です。媒介契約の種類や契約内容の違いを理解し、自分に合った契約方法を選ぶことが注文住宅の売却を成功させるためのポイントです。

媒介契約には以下の3種類があります。

一般媒介契約
複数の不動産会社に同時に注文住宅売却を依頼できます。
専任媒介契約
1社の不動産会社だけに注文住宅売却を任せます。2週間に1回以上の業務報告があり、自分で買主を見つけることも可能です。
専属専任媒介契約
1社の不動産会社だけに注文住宅売却を任せます。1週間に1回以上の業務報告がありますが、自分で買主を見つけることはできません。

どの契約にするかは売主の希望によって異なります。複数社に売却活動を依頼したい場合は一般媒介、1社に任せたい場合は専任媒介契約や専属専任媒介契約がおすすめです。
» 不動産売却の流れを完全ガイド|初心者でも失敗しない手順を解説

内覧に向けて部屋を整える

注文住宅の内覧では購入を検討している人に良い印象を与えることが売却成功の大きなポイントです。内覧が注文住宅の売却において重要になる理由は、購入希望者は内覧時の印象で新しい生活を想像するためです。

注文住宅の内覧で良い印象を持ってもらうために以下の点を意識して部屋を整えましょう。

  • 室内を清潔に保つ(床や水まわり、窓の汚れを落とす)
  • 不要な物を片づけて、空間を広く見せる
  • 玄関を整えて第一印象を良くする
  • 室内を明るくし、開放的な雰囲気にする
  • 十分に換気し、においを残さないようにする
  • 気になる箇所を簡単に補修しておく
  • 収納部分も見られる前提で整える

清潔で整理整頓された注文住宅の部屋は物件の価値を高く見せ、購入への意欲を高める効果が期待できます。

売買契約の締結と引渡しを行う

注文住宅の内覧を終えて無事に買主が決まったら、売買契約の締結と物件の引渡しに進みます。売買契約から引渡し完了までの大まかな流れは以下のとおりです。

  1. 購入申込み・条件交渉
  2. 重要事項説明
  3. 売買契約の締結
  4. 手付金の受領
  5. 残代金決済(ローン完済を含む)
  6. 所有権移転登記・抵当権抹消登記(同時実施)
  7. 鍵・書類の引渡し

売買契約の締結はお金のやり取りや家の名義変更といった売却における最も重要な手続きです。

注文住宅を売却するときに必要な書類

注文住宅の売却契約のイメージ。スムーズに進めるために必要な書類

注文住宅の売却をスムーズに進めるには事前に書類を準備しておく必要があります。書類は注文住宅の正当な所有者であることの証明や、建物情報の提示に必要です。注文住宅を売却するときに必要な書類は以下のとおりです。

  • 権利関係の書類(登記簿謄本・権利証など)
  • 建物関連の書類(図面・保証書・検査済証など)
  • 税金・ローン関連の書類(残高証明書・確定申告書など)

権利関係の書類(登記簿謄本・権利証など)

注文住宅を売却する際には所有者を証明し、権利関係を明確にする書類が必要です。注文住宅の権利関係の書類は以下のものを準備しましょう。

  • 登記済権利証または登記識別情報
  • 登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 固定資産評価証明書
  • 地積測量図・境界確認書
  • 本人確認書類
  • 実印および印鑑証明書

権利関係の書類は注文住宅の詳細な情報や権利の状態を公に示すことでトラブルを防ぐ役割を果たします。

建物関連の書類(図面・保証書・検査済証など)

注文住宅の売却に必要な設計図。売却時に必要な書類を表現

注文住宅の価値や安全性を正しく伝えるために、建物関連の書類が大きな役割を果たします。購入を検討している人は書類を見て注文住宅の詳しい情報を知ることで、安心して購入を判断できます。

注文住宅の建物関連の書類は以下のものを準備しましょう。

  • 建築確認済証、検査済証
  • 設計図書
  • 建物の保証書やアフターサービスの書類
  • 地盤調査報告書
  • 耐震診断報告書やアスベスト使用調査報告書
  • 定期点検やメンテナンス、リフォームの履歴

書類がそろっていると注文住宅の信頼性が増し、売却手続きが円滑に進むだけでなく、査定価格にも良い影響を与えることがあります。もし、紛失した書類がある場合は再発行できるかどうかを不動産会社に相談してみてください。

税金・ローン関連の書類(残高証明書・確定申告書など)

注文住宅を売却する際は税金や住宅ローンに関する書類も忘れずに準備しましょう。注文住宅の売却時に主に必要となる税金・ローン関連の書類は以下のとおりです。

  • 住宅ローン残高証明書・返済予定表
  • 固定資産税・都市計画税納税通知書
  • 購入時の売買契約書や諸費用の領収書
  • 確定申告書の控え

税金や住宅ローンに関する書類は注文住宅売却時の税金を正しく計算したり、ローンの残高を確認したりする際に必要です。

注文住宅の売却に関するよくある質問

の家モデルと「FAQ」ブロック。注文住宅の売却に関するよくある質問とその回答を表現

注文住宅売却に関する以下のよくある質問に回答します。

  • 注文住宅の売却価格を決める要素は?
  • 買主からの値引き交渉に応じるべき?
  • 売却活動中に居住する場合の注意点は?

注文住宅の売却価格を決める要素は?

注文住宅の売却価格を決める要素は以下のとおりです。

  • 立地条件(駅からの距離・周辺環境など)
  • 土地の状況(形状・接道・地盤など)
  • 建物の状態(築年数・メンテナンス状況など)
  • デザインや間取りの魅力
  • 建築会社のブランド力や施工品質
  • 設備や内装のグレード
  • 耐震性や断熱性などの住宅性能
  • 不動産市場の動向

注文住宅の売却価格は土地や建物の価値、立地、市場の動向など、さまざまな要素が複合的に影響して決まります。購入希望者は駅からの距離や建物の状態、デザインなどを重視して比較検討するため、売却価格に反映されます。

買主からの値引き交渉に応じるべき?

注文住宅の売却で、買主からの値引き交渉に応じるべきかどうか真剣に悩む男女

すぐに値引き交渉に応じるのではなく、不動産会社を通じて買主の意向を確認し、条件を探ることが売却が成立するポイントです。注文住宅の売却価格は適正価格より少し高めに設定しておくことで、値引き交渉に備えられます。売主は値引きに応じられる最低ラインを不動産会社と共有しておくと安心です。

売却価格だけでなく、引渡し時期の調整やエアコンなどの設備を残すといった条件で交渉することも有効です。不動産会社を通じて買主の意向を確認しながら、双方が納得できる条件を探ることがスムーズな売却につながります。

売却活動中に居住する場合の注意点は?

売却活動中に注文住宅に住み続ける場合は、日常生活と売却活動を両立できるように工夫をする必要があります。急に内覧の予定が入ることもあるため、いつでも見学に対応できるよう家を整えておきましょう。

注文住宅の内覧で好印象を与えるためには以下の点に注意してください。

  • 常に綺麗な状態を保ちながら生活する
  • 生活感をできるだけなくす
  • 不要な荷物を減らし、部屋を広く見せる
  • カーテンを開けて室内を明るくする
  • 内覧中は外出して、見学者がリラックスできる環境をつくる

注文住宅の売却活動中も普段の生活を続けながら、掃除や整理整頓で家の魅力を引き出す工夫をしましょう。

信頼できる不動産会社に相談して、注文住宅の売却を成功させよう

夫婦で注文住宅の売却を検討し、成功するイメージ

注文住宅の売却を成功させるには信頼できる不動産会社を選ぶことがポイントです。一戸建てごとに特徴が異なるため、注文住宅の価値を正しく評価するためには専門的な視点が必要となります。実績のある会社であれば注文住宅の評価から販売戦略の提案、書類準備や売買契約手続きまでを一貫してサポートしてくれます。

まずは複数の不動産会社に無料査定を依頼し、提案内容や担当者の対応を比較検討してみてください。信頼できる不動産会社を見つけることが注文住宅の売却成功への第一歩です。
» 不動産売却の注意点とは?トラブルを防ぐ方法を解説!

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この記事の監修者

売買・投資用不動産・賃貸仲介などを経験。数字や条件だけでなく、お客様一人ひとりの背景や将来設計を踏まえた提案、そして「相談してよかった」と思っていただける関係づくりを大切にしています。

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