土地を売るときの注意点を総まとめ|初めての売却で失敗しない3つのコツ

- 相続した土地をどう売ればいいのか分からない
- 土地の売却にかかる費用や税金がいくらか不安
- 初めての土地売却でトラブルに巻き込まれたくない
相続や長期保有した土地を初めて売却する際、手続きの複雑さや費用面に不安を感じている方は多いのではないでしょうか。土地の売却は不動産取引の中でも専門的な知識が必要で、注意点を知らずに進めると数百万円単位の損失や予期せぬトラブルを招く恐れがあります。
この記事では土地を売る前に知っておくべき基礎知識やケース別の注意点、トラブルを避けるコツを解説します。記事を読めば土地売却の全体像が把握でき、安心して手続きを進めることが可能です。
土地を売る際は名義や境界の確認、税金対策などの事前準備が欠かせません。信頼できる不動産会社と連携し、余裕を持ったスケジュールで進めることが、土地売却を成功させる鍵となります。
土地を売る前に知っておくべき基礎知識

土地を売る前に知っておくべき基礎知識は以下のとおりです。
- 土地を売る方法は「仲介」と「買取」の2種類
- 土地を売る流れと全体スケジュールの目安
土地を売る方法は「仲介」と「買取」の2種類
土地を売る主な方法には「仲介」と「買取」があります。仲介は不動産会社が買主を探してくれる方法で、買取は不動産会社が直接土地を買い取る方法です。
仲介と買取の違いを以下の表にまとめました。
| 項目 | 仲介 | 買取 |
| 売却価格 | 高くなる傾向がある | 仲介より安くなる |
| 売却期間 | 3か月~1年程度 | 1週間~1か月程度 |
| 手数料 | 仲介手数料が必要 | 仲介手数料は不要 |
| 買主探し | 不動産会社が買主を探す | 不動産会社が直接買い取る |
| 内覧対応 | 買主候補の内覧対応が必要 | 内覧対応は不要 |
仲介は時間がかかりますが、より高い価格で土地が売れる可能性があります。買取は土地の売却価格は下がりますが、すぐに現金化できる点がメリットです。土地を売る際は自分の状況に合わせて仲介と買取のどちらが適しているかを見極めましょう。
土地を売る流れと全体スケジュールの目安
土地売却の全体像を把握しておくと焦らずに手続きを進められます。土地の売却完了までにかかる期間は、一般的に3か月〜1年程度が目安です。
土地を売る流れは以下のとおりです。
- 不動産会社に査定を依頼する
- 媒介契約を結ぶ
- 販売活動を開始する
- 買主と条件交渉を行う
- 売買契約を締結する
- 決済・所有権移転登記・引き渡しを行う
土地の売却には時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールを立てておきましょう。
土地を売る前の注意点

土地を売る前の注意点は以下のとおりです。
- 土地の名義人を確認し相続登記を済ませておく
- 境界確定測量を実施して土地の範囲を明確にする
- 古家が残っている場合は解体するか判断する
土地の名義人を確認し相続登記を済ませておく
土地を売る前には必ず名義人を確認し、相続登記を済ませておきましょう。相続登記とは相続した土地の名義を自分の名前に変更する手続きのことです。相続登記は2024年4月から義務化されており、相続を知ってから3年以内に手続きをしないと10万円以下の過料が科される可能性があります。
土地の名義人は法務局で登記事項証明書を取得すれば確認できます。相続登記の手続きは自分で行うことも可能ですが、専門的な知識が必要なため、司法書士に依頼することが一般的です。
境界確定測量を実施して土地の範囲を明確にする

土地を売る前に境界確定測量を実施し、土地の範囲を明確にしておきましょう。土地の境界が曖昧なままだと、売却後に買主とのトラブルにつながるリスクがあるからです。
土地の境界確定測量を行うメリットは以下のとおりです。
- 隣地とのトラブルを防げる
- 正確な面積で売却できる
- 買主に安心感を与えられる
- 売却後の責任を回避できる
境界確定測量は土地家屋調査士に依頼して行います。隣地の所有者立ち会いのもと、境界標を設置して土地の範囲を明確にしましょう。
境界確定測量にかかる費用は土地の広さや形状によって異なりますが、一般的に30〜50万円程度かかります。境界確定測量には1〜3か月程度の期間が必要です。効率的な取引を希望するなら、土地の売却を検討し始めた段階で土地家屋調査士に相談しましょう。
古家が残っている場合は解体するか判断する
土地に古家が残っている場合、解体するかどうかを判断する必要があります。それぞれのメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
| 項目 | メリット | デメリット |
| 古家を解体して売る | 買主が自由に家を建てられる | 解体費用がかかる 固定資産税が上がる |
| 古家を残したまま売る | 解体費用がかからない 固定資産税を安く抑えられる | 買主が見つかりにくい |
古家の状態や土地の需要により、どちらが有利かは異なるため、迷った場合は不動産会社に相談し、解体するかどうかを判断しましょう。
土地を売る際にかかる費用と税金の注意点

土地の売却ではさまざまな費用が発生し、手元に残る金額が想定を下回るケースがあるため、事前に費用全体を把握しておくことが重要です。土地を売る際にかかる費用と税金の注意点は以下のとおりです。
- 売却にかかる諸費用一覧
- 売却にかかる税金一覧
- 知らないと損する節税対策・使える特例
売却にかかる諸費用一覧
土地の売却には、条件によって異なりますが、売却価格の5〜10%程度の諸費用がかかります。土地の売却にかかる諸費用は以下のとおりです。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 登記費用
- 測量費用
- 解体費用
- 住宅ローン返済費用
- 司法書士報酬
土地の売却にかかる諸費用は売却益を計算する際の必要経費として認められる可能性があるため、領収書は必ず保管しておきましょう。
売却にかかる税金一覧

土地の売却にかかる税金は以下のとおりです。
| 税金の種類 | 概要 |
| 印紙税 | 売買契約書に貼る税金 |
| 登録免許税 | 抵当権抹消登記などの手続きにかかる税金 |
| 消費税 | 仲介手数料などのサービスにかかる税金(土地そのものは非課税) |
| 譲渡所得税・住民税 | 土地の売却益に対してかかる税金 |
土地の売却にかかる税金は売却価格や所有期間によって異なります。税金を事前にシミュレーションしておくと、土地の売却後に手元に残る金額の予測が立てやすくなります。
» 不動産売却で支払う税金と仲介手数料のまとめ
知らないと損する節税対策・使える特例
土地の売却で使える節税対策や特例を活用することで、税金を大幅に抑えられる可能性があります。土地の売却で使える節税対策や特例は以下のとおりです。
- 居住用財産の3,000万円特別控除
- 自宅を売却する場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。家屋を取り壊して土地のみを売却する場合は、取り壊しから1年以内に売買契約を締結するなどの追加要件があります。
- 所有期間による税率の違い
- 土地を売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えると税率が下がるため、売却時期を調整することで節税効果が期待できます。
- 取得費加算の特例
- 相続した土地を、相続税の申告期限の翌日から3年以内に売却した場合、支払った相続税の一部を取得費に加算できる制度です。
注意点として、上記の特例や控除を受けるためには、原則として確定申告が必要です。適用条件の判断が難しいケースも多いため、税理士などの専門家に相談しながら進めると安心です。
» 不動産売却の特例5選!適用条件や確定申告の流れを解説
» 最後まで自宅を売ってはいけない4つの理由と売却の基準
【ケース別】土地を売るときの注意点

土地を売るときの注意点を以下のケース別に解説します。
- 相続した土地を売る場合
- 共有名義の土地を売る場合
- 遠方にある土地を売る場合
相続した土地を売る場合
相続した土地を売る際は、買主への所有権移転登記を行うため、原則として事前に相続登記を済ませておく必要があります。土地の相続人が複数いる場合は遺産分割協議で取得者を確定させ、相続人全員の同意を得たうえで売却を進める必要があります。後からトラブルにならないよう、土地売却の方針について事前に他の相続人と話し合いをしておきましょう。
相続した土地を売る際は相続税の納付期限にも注意が必要です。相続税の納付期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内と決まっています。相続した土地を売る際は相続税の納付期限に間に合うように手続きを進めましょう。
共有名義の土地を売る場合

共有名義の土地を売る際は、共有者全員の同意が必要です。まずは共有者全員で話し合いを行い、土地売却の方針を固めておきましょう。
手続きには共有者全員のスケジュールを調整する必要があるため、単独名義に比べて土地の売却に時間がかかることが多い点に注意が必要です。土地の共有者間で意見が分かれ、全員の同意が得られない場合は、自分の持分だけを売却することも可能です。ただし、持分のみの売却は買主が限られるため、売却価格が市場相場より大幅に低くなる傾向があります。
遠方にある土地を売る場合
遠方にある土地を売る際、現地確認や手続きのために何度も足を運ぶことは、売主にとって大きな負担となります。現地へ行く手間や交通費を最小限に抑えるため、遠方にある土地を売る際は、物件の近くにある不動産会社に依頼することが一般的です。
土地の売却活動中は現地の不動産会社と密に連絡を取り合い、進捗状況を確認しましょう。現地の不動産会社に任せきりにせず、自らも積極的に関与することで土地の早期売却の可能性が高まります。
土地を売るときによくあるトラブル事例

土地を売るときによくあるトラブル事例は以下のとおりです。
- 売却後に土地の境界をめぐるトラブルが発生した
- 契約不適合責任を問われて損害賠償を請求された
- 買主が見つからず売却が長期化した
売却後に土地の境界をめぐるトラブルが発生した
土地の境界が曖昧なままだと売却後に隣地の所有者とトラブルになる恐れがあります。土地の境界をめぐるトラブルは以下のとおりです。
- 境界線の位置をめぐる争い
- 庭木やフェンスなどの越境物の存在
- 土地の面積の食い違い
- 境界標の紛失
境界確定測量を行い土地の境界を明確にしておくと、隣地の所有者とのトラブルを未然に防げます。
契約不適合責任を問われて損害賠償を請求された

土地を売却した後に「契約不適合責任」を問われて損害賠償を請求されることがあります。契約不適合責任とは、引き渡した土地の種類・品質・数量が契約内容に適合していない場合に売主が負う責任のことです。土地の売却で契約不適合責任を問われるケースは以下のとおりです。
- 土壌汚染が見つかった
- 地中に埋設物があった
- 地盤が軟弱だった
- 越境物があった
契約不適合責任のリスクを低減するには、売却前に土地の状態を正確に把握し、買主に情報を正直に伝えることが不可欠です。売買契約書で契約不適合責任の範囲や通知期間を明確にしておくことも有効な対策となります。
» 不動産の引き渡し時によくあるトラブルと対処法
買主が見つからず売却が長期化した
土地の売却が長期化することはよくあります。土地の売却が長期化する原因は以下のとおりです。
- 価格設定が高すぎる
- 立地条件が悪い
- 土地の形状が特殊である
- 古家が残っている
- 境界が不明確である
土地の売却が長期化すると固定資産税などの維持費がかかり続けます。土地の売却が長期化すると市場価値が下がる可能性もあります。一定期間が経過しても土地の買い手が見つからない場合は、売却価格の見直しや不動産会社への買取依頼も視野に入れましょう。
土地を売るときにトラブルを避ける3つのコツ

土地を売るときにトラブルを避けるコツは以下のとおりです。
- 余裕のあるスケジュールで売却活動を行う
- 隣地の所有者に売却を打診してみる
- 信頼できる不動産会社と二人三脚で進める
上記の土地を売る際の注意点を意識して、スムーズに取引を進めましょう。
» 不動産買取のよくあるトラブル事例と悪質業者の見分け方
余裕のあるスケジュールで売却活動を行う
土地の売却には3か月~1年程度かかることが多いため、余裕を持って売却活動を進めましょう。土地の売却には境界確定測量や相続登記などの事前準備に加え、買主との条件交渉や契約手続きも必要です。あらかじめ余裕を持ったスケジュールを立てておくことで、焦らずに土地の売却手続きを進められます。
隣地の所有者に売却を打診してみる

隣地の所有者に土地の売却を打診してみることも一つの方法です。隣地の所有者に売却を打診するメリットは以下のとおりです。
- 早期売却が期待できる
- 直接交渉の場合は仲介手数料が不要になる
- 境界トラブルを防げる
- 価格交渉がしやすい
隣地の所有者に土地の売却を打診する際は、直接交渉するか不動産会社を通じて連絡を取ることが一般的です。
信頼できる不動産会社と二人三脚で進める
土地売却でトラブルを避けるためには、信頼できる不動産会社をパートナーに選びましょう。不動産会社は土地の売却に関する専門知識を持っているため、難しい手続きも安心して任せられます。
信頼できる不動産会社を選ぶポイントは以下のとおりです。
- レスポンスが早い
- 提案力がある
- 査定根拠を明確に説明してくれる
- 地域での実績がある
信頼できる不動産会社を選ぶことで、土地の売却をスムーズに進められます。複数の不動産会社に土地の査定を依頼し、対応や査定内容を比較検討してみましょう。
土地を売る注意点を押さえてスムーズな売却を実現しよう

土地を売る際は信頼できる不動産会社と連携し、余裕を持ったスケジュールで土地売却を進めることが成功の鍵となります。
土地を売却する前の注意点は以下のとおりです。
- 土地の名義人を確認し、相続登記を済ませておく
- 境界確定測量を実施して土地の範囲を明確にする
- 古家が残っている場合は解体するか判断する
土地の売却後にかかる税金や、活用できる特例もあらかじめ把握しておく必要があります。土地の売却には時間がかかることが多いため、記事で紹介した注意点を押さえてスムーズな売却を実現しましょう。
